恵方巻きの不思議

 節分に太巻きを一本食べると幸せになるという不思議な食べ物。調べてみたが確たるオリジンも歴史も諸説紛々、中には寿司屋や海苔屋の陰謀説まである。挙げ句の果てはセブンイレブンの仕業など、今時これほど得体の知れない食べ物は珍しい。

 太巻きの中味となると、七福神にあやかって七つの具材を巻くというもっともらしいものから

マグロのトロと赤身を巻いたものや、なんとシャトーブリアン巻きというのもあるらしい。

 

 皆で恵方巻を作って食べると言って、娘達が孫とともに我が家にやってきた。瞬く間に、こんなに食えるのかというほどの太巻きの行列ができあがる。材料がみな上等なのか、なかなかの美味だ。頭の中の恵方巻きという不思議なたべものの概念が少しばかり変わった。

 

 理屈はともあれ、そもそも食べ物は理屈で食うもんじゃないというのが我が心情、旨ければ良し、楽しければすべて良しというものだ。

なにより元気で、美味しくものが食べられることに感謝を捧げるひとときであった。