病と気

 しばらく更新ができなかった。

風をひいて寝込むこと一週間、記憶をたどっても新記録だ。時節柄心配になってコロナもインフルも検査をしたが両方陰性、要はただの安物の風邪である。

ともかく何もする気にならない。寝ていると腹が減らないので食べる気すら失せるものだ。暇なので自分の体調を日々克明に観察する。きっと明日は快方に向かうに違いないと思ってみたところで体は言うことをきかない。

 ある朝、ふと僅かな変化に気づく。峠を超えたというかすかな自覚がある。その二日後には何か美味いものが食べたいという「気」が戻り始める。快方に向かっているとはいえ年寄りのこと、一週間も寝ると体はガタガタになる、さすがにここで無理をしては元も子もないだろうから欲張りは控えている。

 改めて命の源は「気」だと思う。この宇宙と一体である「気」が弱ると、いくら思いが先行しても体はついてこない。年寄りには年寄りのテンポというものがある。そこを慌てずに静かに横たわり宇宙の波動に身を任せながら前に向いて「気」を整えていく。当面はこれで万事解決だと思っている。

 


 少しばかり更新をサボっている間に、二四節季の啓蟄も春分も通り過ぎてしまった。思えば春分というのは宇宙の気が陽転し始める大きな節目で、隙があれば病が入り込みやすい季節である。自分もきっとどこかに隙があったのだと思う。

庭の片隅ではなにごともなかったように、バイモの花が咲き始め、トサミズキも開花待ち、我が家の桜は遅咲きなので来週末あたりだろうか。