4月8日 今日は灌仏会(かんぶつえ)といってお釈迦様の誕生日を祝う日だ。「花まつり」といえばご存知の方も多いかもしれない。
毎年4月になると写真の誕生仏をひっぱり出してきて飾ることにしている。
誕生仏というのはお釈迦様が生まれてすぐに立ち上がり、右手で天を指し、左手で地を指し「天上天下唯我独尊」と唱えたという話がある。その姿を仏像に表現したのが誕生仏である。
誕生仏というは古くから作られているが、不思議なのは誕生仏といえば申し合わせたようにスリムで美しいプロポーションのものが殆どで、およそ誕生したばかりとは、ほど遠いイメージなのだ。
随分昔、とある展覧会でこの誕生仏に出会った。これこそ正に仏縁というものだ。以来我が家の4月を飾る定番となっている。世の誕生仏とは趣が異なるが、誕生仏というからには生まれたての赤子のような雰囲気がほしいというのは私の頭が硬い故かもしれない。
それにしても、世の誕生仏というのは何故あれほどにスリムなのだろうか。言葉が悪いのは承知だが、見ようによっては栄養失調の子供のように見える。
そうは言っても名作といわれる誕生仏は、そんな野暮な見方を許さない気品と格調にあふれている。いわば神の子のようなものだから、神々しい美しさを求めての結果なのかもしれない。
お釈迦様は実在の人物なので、やっぱり人間味がほしいというのは、私の我儘なのかもしれない。