久々の雪。近年鎌倉で2月に雪らしい雪が降るのは久しぶりのことだ。狂った気候にあっても、
雪が降ることにちいさな安堵感を覚えた。
昨夜は出先から戻るのに、やっと来たタクシーに乗ったもののずいぶん下のバス通りで降ろされてしまった。誰もいない道を新雪を踏みしめながら自宅まで歩いたのだが、期せずしてとても新鮮なひと時であった。
まだ薄暗い朝、どんな雪景色かと雨戸をあけると昨夜の一面の銀世界はどこへやら、積もっていた雪はずいぶん溶け始めているようだ。すこしばかり期待を裏切られたような気もするが、人間というのはなんとも身勝手な生き物のようだ。
梅花というより、梅華というイメージを期待しながら雪の中の一輪の梅を目指して庭に降りた。凍てつくような寒さに思えるが、雪が溶け出しているということは4、5度あるのかもしれない。勝手に描いていた真っ白の雪の中に咲く梅一輪というわけにはいかなかったが、ともかく写真に収めた。
このホームページで我家の梅の開花をお伝えしたのが先月の18日なので、この梅は約3週間ほど遅れての開花だ。小ぶりの枝垂れ梅なのだが、我家の梅の中でいつも最後に咲く梅である。気のせいか、この梅の花は独特の品格を備えているように見える。それが、育ちなのか、環境なのか、それとも持って生まれた素性なのか、とふと思ったが人間とは素性の違う生き物なので、ただの品種といういうことなのかもしれない。